プロローグ

　「ね，宇宙生活って，なにを思いついたの？」男は言った。
　「なにって，宇宙で生活することでしょう？」女は味気ない声で答えだ。
　「馬鹿にするなよ。」
　「馬鹿もなにも，今そんな現実離れの話してもどうしょうもないでしょう？」
　「ひどいな。きみはもうロマンチックを忘れたのか？」
　「誰のせいだと思う？」女は膨らむ腹の撫でながら呟いた。
　「そうだな…僕はもう，父親か…」
　「だから，今はつまらないことを考えないで，かんばって私とこの子のために金を稼いで来い～」
　「でもな，この子の将来は楽しみだな…きっと，宇宙生活を楽しめますね。」
　「そうだね，私達はだめだけど，きっとこの子は…」女再び腹を撫でた。

　時は西暦２１XX年。
　21世紀の到来を伴う科学の発展が頂点に着いたと言われても，人類はながなが気安く宇宙で生活することができなかった。何故 なら，その科学の発展の方向は宇宙生活のためではないからである。しかし，この100年が人類は豊かな暮らしを過しではなかった。むしろ，天災だらけの暮 らしであって，特に地球温暖化による生態の変化がこの100年で激しくになっだから，地球はますます人類に対して適切な生存環境ではなくつつになった。

　そして，22世紀。
　人類が本気で宇宙で生活することを考えなければならない時期は降臨した。

　最初が地球から宇宙に足を踏み入れる国は，正しくあの豊かな国ーアメリカであった。あのある宇宙飛行士が月に足跡を残したのような政治的な「儀式」ではな く，22世紀のアメリカは本格的にスベーステクノロジーを研究するのが主な国策と定まれた。そしてその国の恐ろしいほどの金と人材と技術により，人類が宇 宙で生存できることで必ず解決しなければならないさまざまな問題の突破口を見つけたしつつ，遅いだが人類は一歩、また一歩宇宙に接近しつつであった。

　それから，スベースエンジェルと名付ける住人スベースステーションから始まり，百人、千人、そして万人規模の宇宙殖民企画が進み，22世紀のアメリカ人は確実に，また自由に宇宙で暮らし始めた。

　 勿論，アメリカはスベーステクノロジーの先行者だけで、独占者ではなかった。アメリカ人が宇宙で新たな家を築いたその10年間，イギリス、オーストラリ ア、カナダ、日本、韓国のようなアメリカの友好国も住人スベースステーションを建設し、宇宙に殖民して始めた。そして，中国、ドイツ、フランスなどの国も 自力で住人スベースステーションを建設することができる。

　22世紀の末は，人類が本格的に宇宙生活が始まろうとしていた。